主なウイルスとその特徴

ウイルス名 特   徴
風疹ウイルス 一般に三日はしかといわれ、経気道感染による発疹性疾患であるが通常は軽徴である。
妊婦が妊娠初期に感染すると胎児に難聴、白内障、心奇形などをもたらすことがある。
麻疹ウイルス はしかともいわれる。飛沫感染により伝播し発熱と発疹を伴う。
臨床症状は風疹と似ているが前駆期に口腔粘膜にコプリック斑と呼ばれる白い斑点を
認める。
単純ヘルペスウイルス 1型(口唇ヘルペス)、2型(性器ヘルペス)に分類される。
特に1型の場合は不顕性感染が多いが、2型に感染している母から生まれた垂直感染時は重篤な全身性感染を示すことがある。
抗体検査ではNT法によらなければ型判別はできない。
水痘・帯状ヘルペスウイルス 水痘ウイルスはみずぼうそうの起因ウイルスである。体躯に発疹ができ、水痘に変化する。
ウイルスは神経節などに潜み、後年帯状疱疹を発症することがある。
まれにウイルス血症を起こす。
妊娠初期に罹患すると出生児に奇形を生ずることがある。
サイトメガロウイルス ほとんどが不顕性感染であるが、0.5〜1%ぐらいに先天性感染があり、肝・脾の腫大や難聴を伴う。
免疫不全患者や臓器移植者、白血病患者などが感染すると重篤になることがある。
ムンプス ウイルス 流行性耳下腺炎の起因ウイルスで一般におたふくかぜといわれる。
合併症としてムンプス性難聴があり、また男性不妊の原因となる睾丸炎を起こすことがある。
インフルエンザウイルス A、B、C型があり、一般にA、B型が検査される。
A型にのみHAとNAにより分類する亜型が存在する。A型はしばしば亜型の抗原性が変化し大流行を起こす。
アデノウイルス ヒトアデノウイルスは多くの型をもち、ヒトのみに感染する。
角結膜炎や上気道炎、乳児下痢症、幼児胃腸症などの多彩な臨床像を示す。型別測定はNT法でのみ可能である。
日本脳炎 ウイルス コガタアカイエカにより媒介され不顕性感染が多いが、ひとたび発症すると致命率が数十%に達する。
また、回復しても精神障害の後遺症を残すことがある。
ロタウイルス 冬季ウイルス性下痢症の代表的なもので、特に乳幼児を中心に発症する。
散発性が多いが幼稚園や保育所、小学校などで流行することがある。脱水症等に注意すれば予後は良好である。
EBウイルス 就学前に80%以上が感染し、ほとんどが抗体を保有している。ほとんどが不顕性感染とされる。口腔内に大量に存在し、主に唾液による経口感染をする。思春期以降に感染すると伝染性単核球症を発症することがある。
パラインフルエンザウイルス 1〜4型に分類され、特に3型の感染力が強い。
幼児までにほとんどが不顕性感染を起こす。飛沫感染により伝播し呼吸器疾患を起こすが、おおよそ軽症である。
乳児ではクループに注意する。
エンテロ ウイルス 主な型として70型と71型がある。
70型は急性出血性結膜炎で分離され、まれに髄膜脳炎や麻痺が認められることがある。手足口病を引き起こすウイルスとして71型は知られる。
コクサッキーウイルス エンテロウイルス属のウイルスである。A群とB群に分類され、それぞれが多数の血清型を持つ。A16型と手足口病との関連が広く知られている。無菌性髄膜炎や脳炎などの起因ウイルスでもある。
エコーウイルス エンテロウイルス属のウイルスである。現在までに30以上の型が知られており、ヒト以外の動物には病原性はない。
さまざまな呼吸器疾患や心嚢炎、心筋炎、無菌性髄膜炎などを起こす。
ポリオウイルス エンテロウイルス属のウイルスである。
感染により急性灰白髄炎(小児麻痺)を引き起こす。1、2、3型があるが、型間で症状の差はないとされる。本邦では1987年以降根絶状態にある。
RSウイルス 飛沫感染により伝播し、分泌物を直接吸い込む形での感染が多い。
1歳未満の乳児が感染すると毛細気管支炎を起こすことが多い。終生免疫が得られないので、反復感染を起こすことがある。
レオウイルス 成人では70%以上が不顕性感染により抗体を保有する。
1、2、3型が存在するが、CF抗原は三つの型に共通している。経口感染により伝播し、上気道炎や腸炎、下痢などを起こす。

株式会社 三菱化学ビーシーエル 検査項目解説より